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森林所有に光を〜研修会

森林所有に光を


 とあるご縁で知人から紹介された森林所有者さんが、悩んでおられた。森林を所有していることに幸福感が持てないこと。先祖がしっかり育ててきてくれた森林を今、どうして良いかわからないこと。将来に向けて森林をどうすれば良いのかわからないこと。などなどご相談いただいた。

 奈良県森林総合監理士会でこの悩みを少しでも改善できる方向に知恵を出し合おうと言うことになり、12月3日4日の二日間で奈良県森林総合監理士会の有志からアイデアを出し合うという研修会を実施した。

 場所は下北山村。所有森林は75ha。比較的まとまっているが、急峻で作業道の解説が難しい森林も多い。樹齢は概ね60年から100年の人工林が多い。

 所有されている資源情報を確認しつつ、今の悩みや課題を森林所有者さんにお話しいただいた。それから、皆でいろいろお剣を出し合うが、なかなか将来に光がさす方向に話が向かない。どうしても暗い方向に向かうお話を明るい方向に修正しつつアイデアを出し合った。

 驚いたのが、山守さんが記録されていた「森林台帳」施業や森林の状況が簡潔にかつ事細かに記録されていた。このように愛と誇りをもって森林管理と経営をしてくださる新しい時代の山守が欲しいことでは意見も一致した。

 大きく分けて、川の西側と東側で地形の違いがある。道の入らない斜面の森林では、近年伐採し水源林造成事業で植林した5haの森の生育を観察しながら、急峻な高齢級の森林管理方法を考える。加えてドローンなどの技術進化を期待しつつ地域特有の「ナスビ伐り」など郷土の特性に逆らわない施業も検討する。道の入る可能性がある森林については他の森林所有者とも連携を図りながら間伐を行うなど長伐期施業に向けた施業を考える・・・などなどの意見が出された。


 夜は、森林所有者さんから差し入れいただいた「おでん」をメインに楽しくもり上がれた。


 二日目は朝か一部の森林の中を目視調査、風の被害や、植栽木の素性などの観察を実施、作業道の延伸の可能性も確認した。続いて、将来木施業を活用した選木のトレーニングなどを実施した。


 二日間を通して、当初の目標であった「森林所有に光を」という目的は達成できたかどうかは疑問の残るところではあるが、所有者さんに森林経営の糸口のような部分は感じていただけたような気はする。これを契機に、前向きに森林経営を考えていただき地元人材をご活用されながら持続可能な森林づくりに目覚めていただければ嬉しい。


 地元の方々、森林所有者さん、森林総合監理士会の有志の皆さんお疲れ様でした。






 

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